将棋と囲碁は、ボードゲームであるという点では同じであるが、ゲームの性格はかなり違う。 (1) まず 、日本の将棋は、西洋のチェス、中国の象棋などと祖先は同じだと言われているが、地域によって、ルールも駒も盤も違う。 (2) それなのに 、囲碁は世界共通である。 (3) そして 、将棋は相手の王を先に取ったほうが勝ちとなるので、明確な戦術が立てやすいゲームである。 (4) 一方 、囲碁は、先に地を取って逃げきって勝つ、手堅く打って追い込んで勝つ、相手の石を取りきって勝つ、相手の攻撃をしのいで勝つなど、勝つための方法がさまざまである。 (5) それから 、多様な戦術が立てられる点で複雑なゲームといえる。 (6) さらに 、戦術とも関連するが、将棋は王を取るという目的がはっきりしている。 (7) そこで 、コンピューターが強い。事実、西洋のチェスでは、世界チャンピオンにコンピューターが勝ったこともある。 (8) それに対して 、囲碁は将棋ほど目的がはっきりしていない。 (9) そのため 、たとえアマチュアでも強い人であれば、どんな囲碁ソフトにでも勝つことができる。 ( 10 ) このため 、将棋と囲碁は似ているようで、ずいぶん違うゲームなのである。